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 その瞬間、他の警官らが入ろうとしたのを察知したのだろう。蓮人君は、サッとドアを閉めた。 「あの、お姉さんを……。助けて下さい」  蓮人君は深々と頭を下げる。 「あ、うん。勿論だよ」  息子さんは素直な子のようだ。全く。母親は何をしてるんだ。  本当に普通の家だった。倒産後に住むのだからこんなものなのか。いや、倒産後に住むにしてはリッチすぎる。  玄関の目の前は、階段があった。  蓮人君に案内され、二階へ上がる。  目的の部屋へ案内された。  八畳ほどの普通の部屋だった。  増原さんは腕と足をしっかり、縄で縛られていた。口をふさがれていないだけ、マシかもしれない。  今井の元奥さんは、黒いワンピース。袖のところが少しフリルっぽくなっているこのデザイン。  魔女のようだ。
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