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俺は居住まいを正した。
「お母さん、あなたね」
山田さんを、俺はお母さん呼ばわりした。警察官らしい口調で。
「息子さんを思うなら、辞めなさい。こんな事。貴女はお金も欲しかった。でも、彼女を恨んでたんですね?」
山田さんの肩が跳ねた。俺が予想している事はおそらく図星だ。蓮人君は、惚れている。増原さんに。
その事に山田さんは、腹を立てたのであろう。
元夫の再婚相手に、惚れた息子に腹を立てた。
どいつもこいつも、何でこんな女が好きなのよ。と、まぁ、この女の心境はそんなところだろう。
自分のかわいい息子まで、増原さんに惚れた事に腹を立てたのだろう。
「増原さんは、ライバルだったって訳だ。あんたにとって」
全て分かった俺は、勝ち誇った口調で言ってやった。
「だから、私は主人となんて……」
「分かってますよ!」
俺はまた口角を上げる。息子さんを目で示した。すると、増原さんの顔は青ざめた。
やはり、図星。
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