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(俺に惚れてた……か)
高校時代、そんな事全く気がつかなかった。
俺は不良だったし、あの時ほとんど人など信用していなかった。そんな俺を好いてくれたのは、心外だったが。
そんな時だった。俺の携帯にメールが入る。悠子からだった。ちょうど昼休みなのだろう。
『王子のRカフェの前に行って!』
一体何なんだ。俺は目の前にある北赤羽の駅から列車に乗り、次の赤羽駅で下車した。京浜東北線に乗り換え。王子駅へ向かう。
同じ北区内でも乗り換えするのが、面倒だ。
王子駅の雑踏の中を歩き、いつも警らしている北本通りをよぎる。商店街へ入り、目的のカフェへ向かった。
Rカフェは全国チェーンのどこにでもある、セルフカフェだ。安いのが売り。特別おいしいとは思わないが、ゆっくり手軽に茶を飲みたい時には、最適だ。
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