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私も夫も同じハンバーグを選んだ。
「パパ、琴音ね、絵本スラスラ読めるようになったよ」
琴音はコップに注がれた水を飲みながら、嬉しそうに語り掛ける。
「そうかそうか、琴音は昔からお喋りが上手だったからな」
夫は琴音の頭を撫でた。幸太も幸太で、夫にべったりだった。二人共父親っ子だ。
たまに会う父親。夫は子供達に甘い。
お子様ランチがやって来ると、二人共嬉しそうにハンバーグから、頬張る。
私達の料理はまだだった。
「なぁ、おふくろはどう?」
「うーん、もうお年だしそんなに長くないかもしれないって、お医者様が」
「そっか……」
夫は少し気を落としてしまった。
彼のお母さんは、高齢出産で夫を産んだ。
元々、喘息持ち。喘息が悪化して入院した事もある。
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