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缶コーヒーを飲みながら外を見た。周りはやはり、田園風景。田園風景の向こうには大宮駅や、さいたま新都心駅中心のビルが見える。
「おばあちゃん、大丈夫かな」
琴音は心配そうに眉を顰めた。息子の方はお昼寝タイムなのか、うとうとし始めたので、私は息子を膝の上に乗せた。
「琴音は優しいね」
私は娘の頭を撫でた。
そんな時、病室から夫が出てきた。私は買ったばかりのアイスコーヒーの缶を指し出した。
疲労が相変わらず滲んだ顔。それに意気消沈した顔だった。ただでさえハードな刑事の仕事。それに加えて、兵庫から埼玉までやってきたのだから、疲れない訳がない。
「帰ろうか。俺も今日はこっちに一泊する」と、夫。
絶対そうした方が良いだろう。
その方が体が休まる。私と子供達は明後日帰る予定だった。
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