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「そうだよ。君を嫌いな女性は、君の美貌に嫉妬した人ばかりだった」
「そうかしら……」
「後、君は男にも人気あったけどな。初任科の時からのマドンナ。まさかそのマドンナと結婚出来るなんて思ってもみなかったけどね」
「そんなの、今、どうでもいいじゃない」
私はため息をついた。昔、モテた事などどうでもいい。今は二人の子供達を育てるのに、せいいっぱい。
夫は家にいないも同然。母子家庭と割り切って子供を育てている。
「さっきのメールも俺はてっきり、男からかと思った」
その言いぐさに、私はムッとした。
「よく言うわよ。私にそんな暇ないし。いつも子供たちの子育てに追われてるんだからね!」
だから、警備会社にパートに出た。幸い、自由が利く会社で子育て中という事も考慮してくれて、早朝から昼までの勤務にしてもらっている。
「今日だって、パート休んで出て来たんだから」
福利厚生がしっかりしている会社で、女社長の会社だから、そういう点で働きやすく理解はあるけれど、何日も休むのは、気が引けるものだった。
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