902人が本棚に入れています
本棚に追加
/693ページ
しばらくしてインターホンが鳴り、悠子が対応してくれた。素早い対応で驚いた。
持ってくれたのは、バイトの男子学生のようだ。そこの中華弁当屋は時給が他よりも高い。
ありえない時給を出してくれるので、ハードな仕事だけれど人気で、求人を出した時は、すぐに埋まったと言う。流石は今井さんだ。
「天津飯、来ましたよ」
悠子は言う。
袋を開けると、食欲をそそる匂いが鼻についた。悠子が茶を淹れてくれた。程よい茶色の透き通った餡に、黄金色のタマゴ。
三人で早速、頬張る。
「お、確かにこれは、旨い」
林田警部も驚いた程だ。
「でしょう」
悠子は嬉しそうに言う。
どうやら空腹のようだった。食べたら元気が出てくれるのではないだろうか。
「あの、警部、今日はどうされたんですか?」
悠子はおずおずと、心配そうに顔色を伺うように尋ねた。
最初のコメントを投稿しよう!