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 悠子は立ち上がり、冷蔵庫の中のウーロン茶を取りに行った。ウーロン茶を三つのグラスに注ぎながら言う。 「あの、林田警部。私も旦那さんにそんな事言われたら、悲しいかもしれません」  悠子は静かに、嫌味にならぬような口調で発した。  やはり、女心だ。 「や、やっぱ、そうか……」 「えぇ。麗子さんも林田警部が大好きなんだと思います。だから文句言わずに、お子さんのお世話もしながら、お仕事も頑張っているんじゃないかな、なんて。偉そうなこと言える立場じゃないですけどね、私」  俺はしみじみ、二人の会話を黙って聞いていた。  悠子が産休中、多分俺も同じ立場になるかもしれないから。  どちらの気持ちも、痛い程理解出来た。 「あぁ、確かに麗子は愚痴をこぼす女じゃなかったなぁ。強いところはあったし、甘えてたのかなぁ、俺」  空虚を向きつつ、林田警部は後悔した顔をする。
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