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「でも、きっと大丈夫ですよ」
かなり自信たっぷりに悠子は言う。それもまた、男としては、驚きだった。
「え?」
「帰ってきますよ。麗子さん。ただきっと疲れていたでしょうから。温泉で骨休めさせてあげても良いかもしれませんよ。
小さなお子さん二人育ててたら、きっと色々ストレスもあったでしょうし」
「そうか……」
林田警部は安心しつもも、少し腑に落ちないような顔をしつつも、頷く。
「どこの温泉かは、分からないんですか?」
悠子が尋ねた。
警視庁に勤務している時に、事件を通し仲良くなった女性という事だから、きっと関東界隈の温泉宿だろう。
「うーん、どこかな」
林田警部の言葉に俺は「きっと、関東近辺じゃないですかね?」と言ってみる。
林田警部は、警視庁時代のその事件について、あまり覚えていないらしい。デリケートな問題だったので、女性警察官じゃないと介入出来なかった事件だそうだ。
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