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「林田さん、お待ちしてました」
鍵を手にし、彼女は荷物を持ってくれた。
「ごめんなさいね。急に来ちゃって」
「いえいえ、とんでもないです。今日はお客さんもとても少ないので、ゆっくりできますよ。
お部屋をランクアップさせて頂きました」
「え? いいの?」
「勿論です。当館では、宿泊のお客様が少ない際は、お部屋をアップさせて頂いているんです」と、彼女。
一番奥の部屋に案内され、彼女は鍵をあけてくれた。
玄関があり、畳の部屋があった。右手にはトイレのドア。そして左手には洗面所。
「わ、凄い!」
感激が漏れた。
十五畳程の和室の部屋。山々の景色が窓の外に広がる。
「奥は露天風呂になっております」
「あらっ、露天風呂つきのお部屋なの?」
思わず頓狂な声が出る。
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