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7時半になり、朝食が運ばれてきた。朝食は旅館の朝食にありがちな、メニューだった。
湯豆腐、納豆、ベーコンエッグ、川魚の塩焼き、漬物、サラダに、みそ汁、ヨーグルト。失礼ながら豪華さはないものの、品数は多い。
けれども一つ一つの素材に、拘っているあたりはやはり旅館だ。
琴音も同じメニュー。幸太はおにぎりと、飲むヨーグルト。ウインナーと卵焼きに野菜スープというバランスが取れたメニュー。
その際、朝食を運んでくれた、村井さんにあと一泊したい趣旨を伝えた。
「大丈夫ですよ。是非是非。この時期、お客さん少ないですから。春までは……」
少し寂し気に語りながら、ご飯を茶碗によそう。
「それと、本日、大川様がお見えになるという事で、林田さんのお友達という事で、お隣のお部屋をご用意させて頂きました」
「ありがとうございます。あの、食事は彼女も一緒に」
大川さんは、女社長さんの名前だった。早速宿を取ったようだ。
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