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ついでに今日は高崎へ迎えに行く事も告げた。
すると、村井さんは「それでしたら」と柔らかな口調で居住まいを正した。
「その間、お子さん方、託児所へお預けされますか?」
その言葉に驚いた。そんな事が出来るのだろうか。
「そんな事出来るの?」
そこまでサービスが良い宿は聞いた事がない。
「はい、ございます。お子さんを預けてお出かけする御用のある方のみ、一日、5時間までお預かりする事が出来ます」と彼女。
ただし、客の一時預かりは、一時間千二百円だという。デパートの託児所並みの、値段だった。なかなか高いけれどあまり安い設定にすると、それが目的で来る客も増えるからだろう。
琴音はともかく、幸太がぐずった時の事を考えると確かにその方が良いかもしれない。
「じゃあ、そうしてもらおうかな」
「かしこまりました」
彼女は丁寧に頭を下げた。
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