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そんなに人気の商品なのか。と、驚きを覚えた。取り合いになるほどの人気。凄いなと、感心した。
「申し訳ありません。こちらの商品、大変人気の商品でして。黒はもう完売なんですね。こちらもご予約がありまして」
店員さんは慌てて、黒色を手にしてひっこめる。その点は流石だ。
二人の女性の客の顔が引きつった。色は、ブルー、ピンク、黒の三色。
そして店員さんも、嘘を言っていた。
顔色を見てすぐに理解出来た。困惑の表情。微妙に瞬きも増えている。こうでも言わないと、この二人の口論は続くだろうと、察しての嘘だろう。
二人の女性は黙って、店内から立ち去った。
「どうぞ、ごゆっくりご覧ください」
先ほどの店員さん、ペコリと頭を下げながら接客を続ける。
ブルーとピンクのみ、完売していない。
私は勢いで、ブルー色の方を気がつくと手にとっていた。
「あの、これ、下さい」
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