902人が本棚に入れています
本棚に追加
/693ページ
(京ちゃんも、最近は月に三回しか休めてないしな……)
ハードな刑事生活。
けれども、二人でペアを組んで悪徳事件に立ち向かっていた頃、休みがなくても充実していたのは、何故だろう。
大変だったけれど、楽しかった。
(恋人と夫婦はまた違うんだろうな……)
うちには、にぎやかな子供が二人いるし。
内心ため息をついていると「失礼致します」と、村井さんの声とノックをする音がハモった。
「はい」
私は立ち上がり、ドアを開けに行った。
「京ちゃん!」
私は目を丸くしてしまった。よくここが分かったと。
「麗子さんのご主人だったんですね。覚えていますわ」
うふふと嬉しそうに、村井さんは微笑む。
あの時、うちの夫もこの事件には関わった。ただ、彼女から聞き込みを行ったのは私を含む、女性警察官のみだった。
最初のコメントを投稿しよう!