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「あれ、どうしたの。久しぶりだね」  馬場君が近づいて来た。交通機動隊の制服を着た馬場君を見るのは、初めてだった。  胸元にはしっかり、警部補の階級章が輝いている。  警察学校の初任科時代からの仲間はしっかり、出世していた。    とても輝いて見えたと同時に、羨ましく感じる。 「うん。実は」  私は面倒だと思いつつも、昨日の高崎での出来事を話した。まさか高崎で見た女性が赤羽でなくなるなんて、思ってもいなかった。  夫と喧嘩して家出してしまい、フラッと伊香保まで行った事を話した。高崎は伊香保へ行く時の通過点だ。    安西君は話を隣で聞きつつ、彼も目を丸くしている。ついつい夫がお世話になったお礼を危うく言い忘れる所だった。 「昨日は、夫がお世話になりまして」 「いえいえ。あの、林田警部は?」 「仕事で……。兵庫に帰りました。子供達は、今託児所に預けてます」  そう答えると、安西君はなるほど。と頷いた。 「そっか、じゃぁ、ちょっとホトケの顔を確認してもらっていい?」と馬場君。  
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