902人が本棚に入れています
本棚に追加
/693ページ
「ごめんなさい。子供達も一緒なんだけど」
「あぁ、全然かまわないよ」
馬場君がそういうと、一番下の今原君が立ち上がり、給湯室へ走って行った。
「この人で間違いないかな……」
馬場君は私に問う。
パソコンでカチャカチャとキーボードで検索し、画像が出て来た。商業施設の防犯カメラに写った画像だった。
ショートカットでスッキリした顔立ち。
容姿は失礼ながら中の上位だろうか。
「間違いないわ」
私は頷いた。
気を利かせた今原君は、子供達にジョアを持ってきてくれた。子供の好物だ。私には温かい緑茶を淹れてくれた。
「ごめんね。お気遣いなく」
私は今原君にそういってから、もう一度パソコンのモニターに視線を転じた。
「この人が鈴木利里さん?」
「そう。これで『りり』っていうんだ」
この人が犯人とは限らないだろうなぁと、ぼんやりモニターを見ながら思った。
最初のコメントを投稿しよう!