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ますます、鈴木さんの顔は不快な表情になる。コロコロ変わる人の表情を見るのは私は好きだった。元刑事の血が少し騒ぎ始めた。
「ねぇ、どうして? 私は水色を購入したわ。他の色じゃダメなの?」
私はしつこく質問を続けた。すると、突然鈴木さんは睨みつけて来た。
「貴女みたいな綺麗な人には分からないわ!」
「は?」
私は首を傾げた。
「薄い水色やピンクは膨張するの。太って見えるでしょう。貴女みたいに細くてきれいな人じゃないと、似合わないのよ」
やや声を荒げる言い方。
私に敵意丸出しに向けてくる。
「そうかしら……」
「そうよ! きっと貴女みたいな人は、男性も選び放題だったんでしょう! 綺麗だから」
女の嫉妬むき出しに言葉を向けてくる。やれやれと、湯浅警部は隣で肩を竦めている。女は厄介だ。とでも言いたいのだろう。
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