白バイ隊員と女性警察官の日常 第5話

７

　女性にモテそうな男だというのが、第一印象だった。

　先ほどの分駐所の中を思い返してみる。交通機動隊の白バイ隊員らの方が、イケメンだった。

　安西君もかっこいいけれど、特に今原君。
　あの分駐所の隊員らに比べると、この人は失礼ながら容姿が劣る。

（何もこんな男に夢中にならなくても）
　顔を見た時点で、胡散臭い気がしてきた。

（うちの旦那のほうがイケメン……）
　この二股男なんて、何の魅力も感じられない。女性達は何故気がつかなかったのだろう。

「単刀直入に聞くけれど、貴方、二股かけてた訳？」
　チラリと私はこの男を見た。隣には鈴木さんが座っている。彼女の前では言いにくいだろうなと思いながら。

「見ての通りです」　
　一応恥とは思っているらしい。下を向き少し眉を顰めた。逃げ出したいらしく、足はドアの方に向けられている。