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 向井の顔は、呆然とし始めた。さっきまで、否定的であり不快な表情もしていたこの男。  抜け殻になったように、ぼんやりと空虚を向く。 「ねぇ、そろそろ話した方がいいんじゃない? 自分の罪がさ、重くならないうちにさ。 余計なお世話だけど、私には分からない。あんたみたいな二股、三股かける男のどこに魅力があるのか」    全て私の予想。当てずっぽうだ。何の根拠もない。ただ、浮気する男。ズルい男にありがちな行動パターンを、予想しただけだった。 「三山さんに、俺はゆすられてたんです」 「へぇ~。何で?」  湯浅警部は真正面を向き、向井と向き合った。  三山さんと付き合っていたのではなかったのか。一体、どういう事だろう。 「あんた、でも付き合ってたんだろう? 三山さんと」  湯浅警部は質問を確かめるように、する。    
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