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彼の話によると、三山さんは確かに向井さんと付き合っていたが、と同時に向井さんの秘密も知っていた。
三山さんに結婚を迫られ、彼は焦った。もう少し待ってくれというと「早く結婚してくれないのなら、例の領収書の件、言うわ」と勝ち誇った笑みで、三山さんは言ったという。
と同時に、三山さんへの愛も冷めた。
向井さんは、領収書の不正でポケットマネーを作っていたと吐いた。
三山みのりは、傲慢な性格。会社でも嫌われていたらしい。
同期の鈴木利里の男を寝取る事で、優越感に浸ったという。
「俺も愛されては、いなかったんですよ。三山みのりに。あんな悪魔みたいな女。利里とそのまま付き合っていればよかった」
また甘い事を言う、向井さんに、またとろけた視線を鈴木利里は向ける。
「あんた、騙されちゃダメよ」
私はきっぱりと鈴木さんに、忠告した。すると鈴木さんは、ハッとしたような顔になり、居住まいを正した。
「嘘をつく男って、ついている嘘は一つじゃないのよ。二つ、三つ当たり前につくんだから。騙されないで」
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