池村隊員の章 初恋をした少女と中央フリーウェイが謎を解く

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 一瞬子供が出来たかな。とも思ったが、多分それはないだろう。子供はまだ出来ないように、常に気をつけていたから。  今、気がついたが腕には点滴。 「今日一緒に散歩してたらね、倒れてしまって。貧血だったんです。過労ですって」と佑里亜さんは、遠慮がちに口を開いた。 「そうだったんですか。何かどうもすみません」  彼女が側にいてくれて良かった。心から思った。 「いえ。とんでもありません」  佑里亜さんは、軽く一礼し小さな息子さんを連れて、病室を出て行った。 「ごめん、大丈夫か?」 「うん」  奈美は頷いた。懐妊だったらよかったのに。と、少しガッカリしたが。過労は、多分俺が奈美に苦労をかけているのだろう。  家にいない事が多い。盆も正月も休みはない。心が疲れていたに違いない。しかし奈美は決して寂しいとか、辛いなどと口には出さなかった。
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