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「あ、そっか、そうだったね」
堀井は忘れていたようだった。俺もそういえば忘れていた。
こごみちゃんは、寂しそうに少し目を伏せた。母親が夜遅くまで仕事をしていると、寂しいだろう。
「そうか、君はピアノが得意なの?」
俺はやっと言葉を発した。俺の言葉に反応し、こごみちゃんは嬉しそうに頷く。
「そうかそうか。今度、休みの日にでもピアノの音色に耳を傾けてみるよ」
俺はそういうと、少女はキラキラした目で頷いた。
翌日。
第二当番勤務。所謂、当直勤務だ。
病院からは明日、退院できると連絡があった。
今日は見舞いに行ってやりたい所だが、申し訳ないがいけない。
昼間、バイクでの走行練習を終えた後は、事務仕事。
そして夕方の警らの時間。
俺は安西主任と一緒に、マークXに乗車していた。
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