池村隊員の章 初恋をした少女と中央フリーウェイが謎を解く

13/13

902人が本棚に入れています
本棚に追加
/693ページ
「あ、そっか、そうだったね」  堀井は忘れていたようだった。俺もそういえば忘れていた。    こごみちゃんは、寂しそうに少し目を伏せた。母親が夜遅くまで仕事をしていると、寂しいだろう。 「そうか、君はピアノが得意なの?」  俺はやっと言葉を発した。俺の言葉に反応し、こごみちゃんは嬉しそうに頷く。 「そうかそうか。今度、休みの日にでもピアノの音色に耳を傾けてみるよ」  俺はそういうと、少女はキラキラした目で頷いた。  翌日。  第二当番勤務。所謂、当直勤務だ。  病院からは明日、退院できると連絡があった。  今日は見舞いに行ってやりたい所だが、申し訳ないがいけない。  昼間、バイクでの走行練習を終えた後は、事務仕事。  そして夕方の警らの時間。  俺は安西主任と一緒に、マークXに乗車していた。
/693ページ

最初のコメントを投稿しよう!

902人が本棚に入れています
本棚に追加