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「おいおい、気持ち悪い事言うなよ」と安西主任。 「でもいいですね。子供の恋。なんか可愛らしいっていうか」 「だなぁ。ああいうの良いな」  普段、ドロドロしたものを見ている俺達としては、ああいうほんわかした例え子供同士の恋愛模様でも、目の辺りにすると、こちらまで心が和む。  幸せな気分になるのだ。  幸せ気分をお裾分けしてもらった。  しかし、その後渋滞に巻き込まれ、分駐所に戻った時はすっかり陽が落ち、濃紺色の空に満ちていた。  分駐所に戻るなり、馬場警部補が聞いて来た。 「明日、奥さん退院だろ? 行ってやれよ」 「ありがとうございます」  朝の9時過ぎに、病院に行く事になっているが。  大きな事故でもない限り。そこのところは、奈美もしっかり把握している。
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