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大きな死亡事故だという。俺は心臓が跳ねた。
『覆面パト通ります。ご協力お願いします』
今原が周囲に拡声で呼びかける。有難い事に走行していた車は路肩により、道を開けてくれた。
赤羽駅前は夜もいつも混雑している。
どちらかと言うとこの時間は、車より歩行者の方が多いが。
帰宅する背広姿の群れも、遠慮がちに端に寄ってくれた。
『佐々木修平42歳、死亡……』
無線から流れるその被害者の名に、俺はまた驚きを覚えた。
「えっ!」
「な、なんっすか?」
頓狂な声をあげた俺の声に今原が大きく反応した。
「昨日、切符を切ったベンツだ……。堀井の叔父さんの病院に勤務する医者」
「マジっすか!?」
今原は目を丸くした。
交通違反をして滅茶苦茶な運転をして、交通事故に遭ったという事だろうか。
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