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 朝の分駐所。  切ないまま、目を覚ました。仮眠は取ったがあの優しい少年が、何故あんな目に遭わなければならないのだろう。 「あの例の少年の父親だが、飲酒運転だったそうだ」 「えっ……」  俺は悲しくなった。普通は白バイに切符を切られたら、気をつけるだろう。何故気をつけなかったのだろう。  残念に思った。 「でもなぁ、奥さんの証言によると、主人は真面目な人ですから、そんな事する人じゃありませんの、一点張りだって、所轄署の交通課は言うんだ……」 「そうですか……」  あの時の、紳士的な医師を思い出した。確かに誠実そうだった。信号無視は誰でも一度はした事はあるだろう。  それ位は可愛いものだ。でも、飲酒運転は……。  奥さんは、誰かに飲まされたと言っているのだという。  
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