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「あら。でもね、佐々木先生ってモテるから」
意外な言葉に俺は、ビールをこぼしそうになった。
「何で知ってる？」
「私だって、この前まで堀井総合病院の、栄養士だったんだから」
そうだった。すっかり忘れていた。
しかし、栄養士が医療従事者の事まで知っているものなのか。
「詳細を聞かせてくれないか」
俺は奈美の言葉にしがみついた。それが本当なら、事情は違ってくるかもしれない。
「悠子さんの方が詳しいじゃない？ でもないかな……」
奈美はやっとレモンサワーを飲みながら言う。
「あの人、医者の中じゃ、割と温厚だから。看護師さんも憧れてたって話」
「けど、結婚してるのに？」
俺は小首を傾げた。警察内でも不倫はたまに聞くが、医療関係者もあるという事だろうか。
「医者と看護師の不倫、ある所にはあるよ」
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