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 桐ヶ丘、赤羽台の団地周辺を警らした。日本一の巨大団地タウン。この中のどこかにも、警察官舎もあるがどこにあるのかは、実は知らない。  俺もその警察官舎を希望したが、当たらなかったから。 「この辺にも、警察官舎あるんですよね」  今原は言う。 「だな。でもどこにあるかは、分からん。住んでたら迷子になりそうだなぁ」  俺は苦笑いした。  この辺一帯も、団地というよりマンションに近い。しかも洒落ている。買い物できるところもちょこちょこあったり、住んでみると便利そうだ。 「君の彼女もこの辺に住んでるよね」 「えぇ、まぁ……。団地じゃなくアパートですけどね」 「行ったことあるの?」 「この前、初めて行きました。鍋をご馳走になって」 「へぇ」  そこまで進歩したか。それは良い事だ。あの子、料理が上手そうだ。かわいいし。結婚したらいい奥さんになるだろう。
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