902人が本棚に入れています
本棚に追加
/693ページ
高島平の団地と団地の間にある道路を通り、停車可能な位置まで誘導した。
俺は覆面から降り、アウディへ近づいて行った。
「どうも。交通機動隊の者ですが、何故呼び止めたか分かりますか?」
暗闇の中なので、顔は見えなかった。ゆっくり窓が開かれた。
そこには髪の長い女がいた。
(お、すげぇ、美人だな……)
それが俺の第一印象だった。
年は俺よりは少し上だろうか。メイクはバッチリしているが、ノーメイクでも美人だろう。
ハッキリした顔立ちの美人だった。
あの麗子さんという、元女性警察官と同レベル位の美人だった。
その女は特に何も躊躇する事なく、黙ってサイドボックスを開け、車検証を取り出した。
そしてピンク色の何かしらないが、ブランドのロゴの入ったバッグから免許書を取り出す。
「運転手さん、あのね、スピード違反。ここ、速度いくつか知ってる?ちょっと降りてきて。メーター見てくれるかな」
最初のコメントを投稿しよう!