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 先ほどの少年は家に向かって帰って行く。あの少女と少女のお母さんと一緒に。どういう関係なのだろう。  そんな中公園内に、クレープの販売のワゴン車が視界に入った。人が群がっている。 「あ、クレープ食おうか」  俺は提案すると、奈美は「あ、いいね」と頷く。こごみちゃんは、落ち込んだまま、視線を落としていた。  俺はワゴン車で、クレープを三つとアイスティ三つを購入した。ベンチに腰かけている女性陣二人の所へ、持っていく。 「ええと、こごみちゃんと、奈美がバナナとカスタードのクレープな」  そう言って俺は二人に、それぞれクレープとアイスティを手渡した。 「すみません」  申し訳なさそうに、元気がない顔でこごみちゃんは頭を下げた。まだ子供なのに、その姿は気の毒になった。 「いいのいいの、食べようよ」  奈美はこごみちゃんを励ますようにまた、また背中をさする。  俺は、ブルーベリーのクレープを選んだ。というか、クレープなんて食うの何年ぶりだろうか。  警察学校時代、府中で堀井と一緒にクレープを食いに行った事を思い出す。お互い、学校の厳しさに心も体も痛めていた。その心を励まし合いながら語って食べたクレープは、青春時代の懐かしい味だった。
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