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 こごみちゃんなら、知っているだろうか。佐々木先生の『女』いや、彼女とは限らないが。  小学生にこんな事を聞くのも何だと思ったから、黙っていた。 「お兄さんは、ブルーベリーが好きなの?」  こごみちゃんは、話題を変えて俺に話を振ってきた。 「え? あぁ、そうだよ。ブルーベリーのクレープはな、警察学校に行ってる時、息抜きでみんなと一緒に食べに行ったんだ」  堀井と二人で行った事もあったが、それは口に出さなかった。 「へぇ」と、どうでもいい話題なのに、二人の女性陣は口を揃えて、期待の眼差しを向けてくる。  一体何を知りたいのだろう。 「警察学校って大変ですよね。お父さんもお母さんも、大変だったって言ってた」  こごみちゃんは上品に、クリームがこぼれないようにクレープを食べながら言う。 「そうそう。府中にある警察学校。府中にもクレープを食えるところがあってねぇ。懐かしいな。いつも俺はこれ、食べてたからね。懐かしくてね」  その話に奈美が「へぇ」と、また目を丸めた。こごみちゃんは、なるほどと、頷きながらも少し眉を顰めていた。  何か、まずい事言っただろうか。
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