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「青春時代の、辛い思い出かなぁ。警察学校は。いつも俺なんか書類破られてたからなぁ」  今となっては思い出話。行政関係の書類作成の時、提出する度に破られたのが辛い思い出。  体育には自信があったから、運動系では苦労しなかったが。 「休日にクレープ食うのが、心の癒しだったよ」  俺は最後の一口を口の中へ放り込み、アイスティを啜る。 「そうでしたか」  またこごみちゃんは、寂しそうに微笑む。その微笑みの奥に、何かありそうだ。 「佐々木君の事が心配なんだ」  奈美は、こごみちゃんに問う。こごみちゃんは深く頷いた。 「でもきっと、大丈夫。佐々木君は。伊藤さんもいるし」  どこか割り切った顔で、クレープをかじる。  その言い方が、乙女の切なさを感じた。 「私は塾とかピアノとか色々やらなくちゃいけない事、いっぱいあるし、これを機に諦めます」 「まぁ、でもまた、男はこれからどんどん見つかるよ。これからいっぱいの出会いが待ってるからね」  俺はそういうのがせいいっぱいだった。  こごみちゃんは、なかなかの美少女。大人になったら綺麗になるだろうし、男が放っておかないだろう。
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