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 家に戻ると、奈美は早速温かいほうじ茶を淹れた。  こごみちゃんは、遠慮がちに下を向いたまま。 「どうぞ」  奈美はこごみちゃんの前に、ほうじ茶を置いた。カフェインレスのほうじ茶らしい。 「ありがとうございます」  小さな声で呟いてから、こごみちゃんはほうじ茶を啜った。   「佐々木君のお父さんの事で、何か知ってる事あるのかい?」  俺は少し顔を覗き込む感じで、尋ねた。  こごみちゃんは、一瞬顔を上げてすぐに目を伏せた。 「いえ……。ただお酒を飲まない人だって、佐々木君は言ってたから、不自然で」  子供もやはり、その点に違和感があるらしい。  しかし、交通課からは何の情報も入って来ていない。  俺はため息を落としつつもまた、お茶を啜る。けれども何だろう。こごみちゃんは、何かを知っている気もする。
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