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「ちょっと色々教えてもらえませんかね」  俺は切り出した。 「何をです?」  女は眉を顰める。 「まずは、貴女のお名前からです。後は、佐々木修平さんとの関係について、お聞きしたいのですが。府中から来られた理由は何なんです?」  俺は畳みかけると、女は顎を引いた。思いっきり警戒されている。  しかしこの人が、佐々木修平に酒を飲ませ運転させたとなると、放っておく訳にはいかない。  女は仕方なく原田千佳だと名乗った。職業は看護師。 「へぇ、看護師さんですか。って事は貴女は、佐々木先生とお仕事をされた事はあるんです?」  俺は確認するように問うと「ある」と首肯した。  しかし、一向に府中から来た理由については、姉と姪が住んでいるから。としか、答えなかった。  姉と姪が住んでいるのは、北赤羽だ。ここ、赤羽駅周辺ではない。わざわざ事故現場に行く事が、不思議でならない。
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