8月29日

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「え」 「神様やらしてもらってます」 状況がうまく飲み込めない。やっぱり俺は死んだんだ。 これは多分、死に際に見る夢かなんか。 目の前の黒い男はきっと死神だ。 「いやいや、神様って。真っ黒じゃん」 明らかにだるそうな神様と名乗る男は相変わらず凪を見下ろしていた。 「お前と同年齢で姿を変えてみてるだけだ。本当はもっと神々しい」 神様は自分で神々しいなんて言わない。 どうしても信じられず、数秒間、真っ黒男を凝視するが、状況なんて変わらない。 「なんか願いごとがあったから呼んだんだろ?だいたいわかってるけど」 神様ははぁとため息をついて、腹を掻いた。 「せっかく俺が丹精込めて作った命を自ら捨てるんだ。簡単に。お前は、屋上から飛び降りた友人を救いたいんだろ?」
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