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「トランクルーム?」  オレは、モエを後ろから包み込むように抱き締め、髪の匂いをかぐ。  こういうジャレ合いは嫌いではない。  オレは一瞬、スイセンにでもなってしまったかと錯覚する。  女は楽しそうに、オレの耳に唇を近づける。 「ナナの男が借りてたんだって。会社の寮に置けない物とか置いてるトコで、一人ぐらい泊まれるスペースはあるって言ってたかな。  さすがにその中でセックスするような事は、なかったみたいだけど」 「ふーん」  なあ、その唇に触れていいか?  誘ってるんだろ?  オレも、イイ感じになってきた。 「場所分かるか?」 「今日仕事終わった後だったら、案内してもイイよ。一回連れてってもらった事ある」  小狡い。  でもわざと嵌まってやるよ、それが望みなら。  無理矢理、頭ごと引き寄せて口づける。  のけぞった首筋が、キレイだ。  最初は浅く、小さく、グロスもつけていない唇はサラッとしていて、気持ちイイ。  ため息をつくかのように、小さく開かれた唇に、舌をねじ込むと、モエの細い目がさらに細く、閉じる寸前になる。  小さな舌を追いかけ、追い詰め、絡めとる。  一方的に呼吸を奪い取る。  そういうやり方しか知らない。  歯で軽く噛んでみると、ピクッと反応する。  これも演技だったら天才的だな。  十分に堪能した後、離してやる。  モエはベッドに手をつき、肩で息をしている。  ごちそうさま。
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