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きっかけはほんの些細なことだった。
私はある日の朝眠りながら笑っていて、その自分の笑い声にびっくりして目を覚ましてしまった。
「…………今の笑い声って自分?」
いつもの自分の笑い方とは全く違っていたから、とても驚いた。
だって、よくテレビとかで観る、令嬢の高笑いだったのだから。
見ていた夢の中身を思い出してみる。
…………それは、とても奇妙なものだった。
始まりはバスの中。
到着した場所は初めて来る場所。
周りの光景の中に駅の看板を見つけてそこが隣の県の中心地だということがわかった。
それから、人の多い街中をしばらく歩いていると、そこに一人のお爺さんが現れる。
そのお爺さんに「お礼に!」と言われて大きなバッグを渡された。
中を覗くと大量の札束で、慌てておじいさんを捜そうとするがすでにどこにもいなくなっていた。
こんな大金を使うわけにもいかず、困っておじいさんを捜し回る。
それから、辺りは夜になり、朝になり、夜になり…………
何度かそれを繰り返した後、急に場面が変わって、私は真っ赤なドレスを来て両手をそれぞれ男の人に握られていた。
右手はバッグをくれたお爺さんで、左手は若くてハンサムな紳士。
二人と一緒に高級レストランでコース料理を食べてワインを飲んでいた。
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