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そして、場面が急に変わって左手を握っていた紳士にプロポーズをされて見せられたダイヤの指輪の大きさにニヤニヤしたところで目が覚めたのだ。
田舎でスーパーやディスカウントストアのようなところを行ったり来たりしている普通な私が縁のないようなことばかりの夢だった。
もしかしたら昨日、芸能人の私生活を特集した番組を観たからそんな豪華すぎる夢を見たのかもしれない。
そんな夢を見てしまった自分が恥ずかしくて思わず笑ってしまった。
それから、いつも通りに朝御飯を食べて仕事に行く準備をして…………すべてがいつもと同じ日常。
「坂牧さん、明日はこの前の休日出勤の代休になったこと覚えてる?」
上司から定時の直前にそんな言葉をかけられて、笑顔で返事を返す。
「すっかり忘れていました。危うく、明日出勤してくるところでした!」
本当にすっかり忘れていた。
突然の休みに私はお得な気分になった。
帰るときも、明日することをいろいろ考えながら。
普段は早めに休みが分かっているから、しなきゃいけないことなど用事を入れてしまっているのだが、それがない明日は本当に好きに使える時間だ。
ずっとごろごろするのもいい、買い物に出掛けるのも楽しそうだ…………などと考えているうちに、家のすぐ近くのコンビニの前な差し掛かった。
デザートでも買って帰ろうと思い、店内に入ったら背が高くてとても綺麗な人同士のカップルが私の横を通り過ぎた。
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