第3章 オーロラの下でやっちゃいました

14/40
前へ
/40ページ
次へ
俺はカメラを出してシャッターを押してみた。すると、肉眼よりもはっきりとオーロラが映っていた。 「わ、すごい!」と、夏鈴が可愛い声で喜んだ。 はしゃぐ妻にキスをすると、そのすぐ傍からこっちをジッと睨みつける例の女の視線とぶつかった。 咄嗟に目を反らす。 「どうしたの?」 夏鈴が振り向くと、女がもう一歩近付いてきて、どういうわけか夏鈴の髪を引っ張った。 「いた!!」 「なにするんですか?!」 「やめろ!!」 向こうの旦那さんが慌てて駆けつけてきて、女を羽交い絞めにした。 「目障りなのよ!」 俺達を指さして、女が怒鳴り声をあげる。その場にいた全員が何事かとこっちを見ていた。 「あんた達、人前でいちゃついてウザいったらないわ!どっか行け!!」 「どっか行くのは俺達だろ?・・・なに絡んでるんだよ?この男、知り合いなのか?」 「俺は、そんな女知らない」 「ドウシマシタカ?オコマリデスカ?」 皆集まってきて、ワイワイガヤガヤしはじめた。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

228人が本棚に入れています
本棚に追加