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『あの子と私の何が違うっていうの?』
嘆くような悲痛な感情がざらつくサンドペーパーのように撫でつけてきた。せっかくのムードが壊される。
考えてみたら、どうして私達はあの夫婦と関わってしまったのかな?
「ねぇ、晴馬。私、あの人とお話してくる」
「・・・ええぇぇ??」
抱っこを下して貰って、私はバスに向かって歩き出した。
旦那さんは外に出ていて、奥さんだけがバスの中にポツンと座っていた。
私が来たことに気付いて、身構えられたけど関係ない。
彼女のすぐ目の前に来て、シートに腰を下ろした。
入口から晴馬が心配そうにこっちを見ているけど、黙って私のやろうとしていることを見守ってくれている。
「私とあなたの違いについてお話しませんか?」
「・・・なによ。あんた。私の事、バカにしてるんでしょ?」
驚いているくせに、すぐ自分はバカにされるって思う辺り劣等感が強いことを感じさせた。
「あなたは自分自身が考えているほど、全然悪くないです。
あなたの魅力をちゃんとご主人様はわかってくれていますし、じゃなかったら年末に、こんな最北端の極寒地までわざわざオーロラを観には来ませんよ。あなたが視たいって言ったから、来たんですよね?
愛情、受け取るのが苦手なだけで、あなたはチャーミングな女性だなって同性の私でも思うぐらいですから、どうか自信もってください。私が言いたいことは、それだけです。
うちも新婚旅行なんですよ。
結婚してから3年かけてやっと来たい場所に連れて来て貰って、すっごく楽しいし幸せなんです。お互い、良い新婚旅行を過ごしましょ?」
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