第3章 オーロラの下でやっちゃいました

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一時間半ぐらい乗ってやっと目的地に到着した。 ここに来るまで家を出てから36時間が経過している。移動だけで、一日以上・・・。海外旅行、おそるべし。 添乗員のアドバイスに従って、すっかり日の暮れたイヴァロ空港に着いた途端に乗っていた客たちは防寒着を身に着け始めた。俺達も身支度を整える。タラップで降り立つと、雪が降っていた。 預けた荷物がなかなか出てこないため、ここで立ち話になったけど夏鈴とならどこにいても楽しいから、全然苦痛感がない。昔の俺は荷物預けるのが面倒で、気が短かったのに。 イヴァロ空港からカクシラウッタネンというホリデー・ヴィレッジ近郊のホテルにバスで移動する。ツアーにセットされたチケットを見せればキャッシュなしで利用できた。日本人が多くて助かるわ・・・。 夏鈴が憧れているガラスイグルーはオプションで一泊のみにした。 どう見ても小さなかまくらサイズの部屋で、長期滞在するのは厳しい気がした。夜の屋外はマイナス20度にはなるのに、シャワーするのもわざわざ徒歩でウロウロするらしい。そんな負担は避けたい。オーロラはバスツアーを使えば見られるチャンスはいくらでもあるっていうし、記念になる旅なら一泊で十分だろうってことで。夏鈴はそれで納得してくれた。 最初の夜はホリデイ・クラブ・サーリセルカ。スパがあるからここに決めた。 水着着用で温泉に入れる。サーリセルカという町の中心部に位置していて、色々と便利だ。食事は各々で摂ることになるから、レストランなんかも困らない。観光地だから、どこに行っても簡単な英語で通用するらしいし。 到着したら午後20時過ぎていたから、俺達はホテル内のレストランでサーモン料理を食べた。 疲れているから、スパは明日にしようっていうことで部屋にしけこんで抱き合ってベッドに寝転んだ。 移動だけでもうクタクタだった。
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