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ストーリーが全く頭に入らなかった俺はノートを片手に再び小説を読み始めた。
それはそれは凄いストーリーだった。
30歳のニートの男が神様達と生活するのだが、それはそれは過酷すぎて、読んでいて涙が止まらなくなった。
戦国時代に落とされ瞬殺されることから始まり、未来、三途の川、地獄、商店街、格闘技、彼の世と渡り歩いていく話だった。
俺、ニートを甘く見てた。
布団1組さえあればなれると思っていたが、実際はそうじゃないんだ。
先生は俺に真っ当な人生を送って欲しいからこの小説を読ませたんだ。
座敷わらしにセーラー服を着せたり、神様が2頭身だったりと、少々、嫌、常に何かやらかして、そこは大人だったら「おい」っと突っ込むのだろうが、純真無垢な俺は素直に感動した。
俺、立派な大人になる。
ニートが夢なんてもう言わない。
仕事をして結婚して子供がいて、家みたいな家庭を作るんだ。
これくらいの漢字なんて平気だ。
明日の国語の授業は頑張るぞ!
俺はパソコンの電源を落とした時だった。
俺の周りをあの神様達がぐるりと取り囲んだ……
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