4 香 川(つづき)

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こんなやり取りが、ひどく懐かしかった。 そして、相変わらず危なっかしい手つきで新たに窓枠を組み始めた新人に、 要所でアドバイスを入れる自分が、なんとなく不思議で どこかすごく心地好い。 こうして、新たな窓枠と飾り枠が、 恐らく、保がやる三倍以上の時間を掛けて完成した。 「うん、うん。キレイに出来たよ。じゃあ、ガラス入れてごらん」 はい。 素直に頷いた新人大工がガラスを入れてみると、 朝までの開け難さが嘘のように、スムーズにガラスは滑るようになった。 「よし。じゃあ、天袋の天井板を全部変えとけ」 はい。 大きな声で返事をした新人大工が、部屋を駆け出て行く。 その姿が見えなくなって間もなく、 作業を続けたまま、ポツリとベテラン大工に尋ねられた。
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