この世の成り立ち

4/4
前へ
/24ページ
次へ
その神、“全知全能の神”ゼウスと“掟の女神”テミスの娘にして、ホーラ3柱の1神“正義の女神”である。 ゼウス神は、正義を司る女神である娘が適任だと思い、娘に地上での世直しの旅を任命した。 彼女も地上には前々から興味があったらしく、快く承諾した。 神々の世界には無い珍しいものをいつか自分の目で見て体験するのが彼女の夢だった。 それが叶うならば、行かないわけにはいかない。しかも頼んできたのは、事もあろうかとか神々の頂点に立つ自分の父親だ。断る神はいないだろう。 天界には地上に関する全ての出来事や物なのが書物として収められていた。 彼女は、物心ついた時から地上に関する書物を読み漁り、想像して物思いにふけていた。いつであろうと書物を肌から離したことなど無かった。 そんな彼女は正義感が強く、誰にでも優しいが天界では“変わり者の女神様”として名を馳せていた。しかし、当の本人はそんな事を気にも止めてなかった。 知りたいことがあって何が悪い。何を好きになるのかなんて、それは神それぞれだろうに。変わり者結構。私はそれで誰かに迷惑をかけたことはない。正義を司る女神として、それは誓って言える。 こうして彼女は天界から地上に飛び立った。 まだ見ぬ物に心をときめかせながら。 その女神の名は、 “正義の女神”アストライアーと言う。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加