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「辰彦、お前の寿命な、あと5年な」
「ん? なんのこと?」
僕が聞き返すと、子供に言い聞かせるみたいに、はっきり区切って言ってくれた。
「お前は、あと、5年で、死ぬ」
「んんん? だから、どういう意味?」
これは夢だ。 僕はすぐにわかった。
そうか、今日は日曜日。 もう一度、深い眠りに…
「私は、お前の残り時間を担当している。お前、余命が5年だったら、やりたい事があるのだろう? 」
マリモは心なしかイラついているみたいだ。
ふわふわが、ちょっと早くなったような気がする。
「あれは、お前が21才の時だ。余命5年の主人公が幸せな結婚をする恋愛映画を観た帰り道のことだった。
お前は、『残りの人生が後5年しか残っていなかったら、今すぐ山本さんに告白する。彼女と結婚するのが僕の夢だ』って…」
僕はパチリと目を開けた。
「うわぁ~。 リアルな夢見たーー!」
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