10人が本棚に入れています
本棚に追加
どんなことを言ったって罪悪感の一番の原因である“私を殴った”という事実はカイの中から消えない。
なら言葉をかけるという行為は意味がない、私はカイの首に手を回し、抱きしめた。
『......私は大丈夫だよ。カイは悪くない。』
カイと私では頭一つ分以上身長に差があるため、少し踵をあげないと届かない。
今のこの体制はかなりキツイが、それでも強く抱き締めた。
「......なんで。」
『ん.....？』
しばらくすると熱のこもった手が腰に回り、耳元でぽつりぽつりと話だした。
「なんで......俺を責めないんだよ。いっそ責めてくれたほうが何にも感じないままお前を手にいれられるのに......。」
最初のコメントを投稿しよう！