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『いたっ!!』
達しそうになっていると、いきなり首筋に広がった痛み。ぐりぐりカイの歯が皮膚に食い込み、あまりの痛さに悶絶する。
『いっ、たい!!離してよ!!』
痛みから逃れようともがくが、両手はカイに抑えつけられて身動きが取れない。その間もカイの歯はどんどん首筋に食い込んでくる。
逃れようのない状況に諦め、歯を食い縛り耐えてるとようやく離してくれた。ズキズキと痛む首筋を一舐めし、カイの体も離れていった。
「悪かったな、いまガーゼ持ってくる。」
そう言って立ち上がると、部屋をでていってしまった。私は首筋を抑え、その背中を見送った。
『やっと終わった......。』
まどろむ意識の中で安堵の言葉とともにベッドに沈みこみ。そして一気に全身に広がった眠気に誘われ、まぶたを閉じた。
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