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でも、置いていく気がないのは知っているから追いかけたりはしないけどね。
でも一応謝って焦っている素振りを見せておく。
『ごめんて!!でも部活動は無理でも、まだチャンスはあるからね、委員会活動で挽回してやるもん。』
「.....お前の委員、美化だろ。何に取り組んだら青春ぽくなんだよ。」
私はクラスから各クラスから一人選出される美化委員会に所属している。
主な仕事は中庭の花壇の管理や清掃作業だ。
『うっ、えーと.....掃除、とか?』
「そんなのクラスの奴らと毎日してるだろーが。掃除が青春ぽく感じたことなんて一度もねぇんだけど。」
『え、いや、その.....。』
具体的なことを聞かれ口ごもった私に呆れた様子のカイ。
「はぁ、馬鹿なこと言ってんなよ。早く帰って昨日の続きしようぜ。今日こそは負けねーから。」
『えー....またあのゲーム?だってカイ、弱いじゃん。』
毎日、カイの家でゲームをしたり、レンタル屋でビデオを借りて一緒に見たりしている。
家でゲーム三昧なんて健全な高校生がやることじゃないけど。
昨日のゲームは私の圧勝で終わり、カイにとってはそれが悔しくて悔しくてしょうがないらしい。
基本、カッコつけたがりなため勝ち負けにしつこい。
「弱くない!!昨日は調子が悪かったんだ!!」
『あー、はいはい、それ負けた人みんな言うんだよ。私、ゲームよりビデオ見たいなぁ。新作出たってさ。』
「お前を負かすまでビデオはないからな!!」
自尊心が高い上に頑固なこの人なら本当に勝つまではいつも通り付き合わされることになるんだろう。
本当にめんどくさい幼なじみだ。
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