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「俺着替えるからこっち見んなよ。」
『はいはい、いいなぁ、私も着替えたい。』
「なら着替えとってこいよ。どうせすぐ隣なんだし」
『えー......めんどくさい。』
リビングにある螺旋階段を登ると続く長い廊下、右手側の一番奥がカイの部屋だ。
お金持ちの部屋だとは思えないほどの質素な部屋で、聞けば必要最低限以上のものはいらないらしい。
『いつ来ても何にもない部屋だよねー.......』
「ほっとけ、お前の部屋がごちゃごちゃしすぎやんだよ。普通だ、普通。」
そんな会話をしていると、ふとベッド脇のカレンダーが目に入った。
16日のところに大きく赤丸がされていた。
『あっ、そういえばもうすぐ.....か。ねぇ、今月も付き合わなきゃ......駄目?』
「..........。」
そう聞いたが返事が返ってこない。
『ねぇ.....聞いて「嫌なのか?」
返事を催促しようとした私の声に被さって聞こえたカイの不機嫌そうな声。
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