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   「何がどう変なんだよ」 「お前があんな公言しておいてヤんないってのが変だって言ってんだよ」 「俺の勝手だ。ヤろうがヤるまいが」 「ふーん、じゃ、俺がヤッてもいいってことだな?」 「あんなのに興味あるのか? お前こそ物好きだな」  カイに手出しをさせない。その約束は生きている。面倒くさいがテリーと縁を切るいい機会なのかもしれない。 「そこが変だって言ってんだよ。お前は途中で路線変更するヤツじゃない。どうした? アイツを庇う理由でも出来たか?」 「別に庇っちゃいない。お前にいちいち断りを得る理由も無い。俺、グループ抜けたいんだがな」 「抜ける? お前、ルールは知ってるよな」 「抜ける時のルールか? お前たちが勝手に作ったルールだろ? 俺はタッチした覚えないけどね」  確かにバカげたことばかりやってきたのは承知しているけど、こいつらは最近悪乗りし過ぎだ。  グループにいるにはバカじゃいけない。これは俺が言い出したルールだ。で、この連中はそこにちょいと決まりを追加した。抜ける時は全員からリンチを受けると。成績が落ちれば自動的に締め出されるだけじゃない、リンチを喰らうってことだ。  俺はそれに反対したし、加わってもいない。 「決まりは決まりだ。お前が反対しようとしまいと、俺たちはそうやってきた。今さらお前だけ反古にできるかよ。俺としちゃ歓迎だぜ、鼻っ柱の強いお前を組み伏せるってのは」  そう、リンチってのはカマを掘られるってことだ、全員に。    
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