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灘さんは、うすうす覚悟していたのだろう。
参列者をかなり絞っていた。
若手実業家にあるまじき
少ない客しかいなくても
花嫁の元彼氏が乱入するのは
醜聞だ。
それなのに。
灘さんは笑んだ。
本当にいいのか?と。
私はゆっくりと灘さんに近づいた。
斜め後ろに立つと
灘さんはエレベーターのスイッチを押す。
私は。
今日が人生はじめての初夜だ。
体はもしかしたら、何か知っているのかもしれない。
しかし記憶がないから
過去がない。
私はどうなってしまうのだろう。
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