第1部 第1章 運命と結婚すると私は

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灘さんは、うすうす覚悟していたのだろう。 参列者をかなり絞っていた。 若手実業家にあるまじき 少ない客しかいなくても 花嫁の元彼氏が乱入するのは 醜聞だ。 それなのに。 灘さんは笑んだ。 本当にいいのか?と。 私はゆっくりと灘さんに近づいた。 斜め後ろに立つと 灘さんはエレベーターのスイッチを押す。 私は。 今日が人生はじめての初夜だ。 体はもしかしたら、何か知っているのかもしれない。 しかし記憶がないから 過去がない。 私はどうなってしまうのだろう。
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